30 離爲火

燃え上がる炎。沸き上がる熱、燃え移る魂、燃え尽きて骨まで。

点いたり消えたり、照らしたり焦がしたり。



卦辞

離。貞に利ろし。亨る。
牝牛を畜えば吉。

り。ていによろし。とおる。
ひんぎゅうをやしなえばきち。

燃え上がる火も扱えればこそ。順調に進む。
火は燃やせば燃やすほど燃え広がり、火種を失えば瞬く間に消える。
牝牛を養うように慎重に取扱えば吉。

外観盛んに見えて内実伴わず。

影響を受けやすく、与えやすい時でもある。


爻辞


初爻

履むこと錯然たり。
之を敬すれば咎无し。

ふむことさくぜんたり。
これをけいすればとがなし。

進むにしては周りが暗くて良く見えない。
慎んで時期を待てば咎められない。

見通しは暗い。慎重に行動。

56 火山旅


二爻

黄離。元吉。

こうり。げんきつ。

真昼に輝く太陽。元吉。

全てが明るく照らされる。間違うことなどありえなく。忠実に行動。大吉。

14 火天大有


三爻

日昃くの離。
缶を鼓ちて歌わず。
則ち大耋の嗟あり。凶。

ひかたむくのり
ふをうちてうたわず。
すなわちだいてつのなげきあり。きょう。

西に傾く太陽。
徳利を叩いて歌う気にもなれない。
ただ老衰を嘆く。凶。

喪失。無いなら無いで、無いなりに。あまり悲観的に考えない事。

21 火雷噬嗑


四爻

突如其れ来如。焚如。死如。棄如。

とつじょそれらいじょ。ふんじょ。しじょ。きじょ。

突如やって来る。焼かれて、殺されて、棄てられる。

災難に遭うおそれ。危険信号。

22 山火賁


五爻

涕を出して沱若たり。
戚みて嗟若たり。吉。

なみだをだしてだじゃくたり。
いたみてさじゃくたり。きち。

泣きながら嘆き悲しむ。吉。

自分の実力不足を理解しているので身を慎む。
火の恐ろしさを知ってる故に吉。

実力不足だが、身を慎んで過ごす。

下からは疎まれるが、上からの評価は高い。

13 天火同人


上爻

王用いて出て征す。
嘉き有り。首を折る。
獲るは其の醜に匪ず。咎无し。

おうもちいていでてせいす。
よきあり。かしらをおる。
かるはそのたぐいにあらず。とがなし。

王の命を受けて敵を征伐し、功績を上げる。
首領の首は落とすが、その手下は逃してやる。咎められない。

一点突破。目的は果たせる。それ以上の事は期待しない。

55 雷火豊


コメントを残す