63 水火既済

上から流れ落ちる水と、下から燃え上がる火の瞬間的調和。既にととのい、陰陽出揃う。その完成すらも一過性。自分で終止符を打つ事が出来ないなら、人生が百年でも二百年でも思う事に大して変わりはなく。散々擦られた名言を、千年かけて答え合わせ。

今を生きれ。



卦辞

既済。
亨るものは小なり。
貞に利ろし。
初めは吉にして終わりは乱る。

きせい。
とおるものはしょうなり。
ていによろし。
はじめはきちにしておわりはみだる。

既にととのっているので、順調に進む事も少しだけ。
この状態を守る事が良い。
初めのうちは吉だが、終わりにかけて乱れる。

当たり前の事が当たり前に出来る事の価値よ。

現状は吉だが衰運迫る。守りを意識。


爻辞


初爻

其の輪を曳く。
其の尾を濡おす。
咎无し。

そのりんをひく。
そのおをうるおす。
とがなし。

車の車輪を引っ張って止める。
狐は川を渡ろうとしてその尾を濡らす。
咎められない。

そのままでは進めない。

そのままでいい。

39 水山蹇


二爻

婦其の茀を喪う。
逐うこと勿れ。
七日にして得ん。

ふそのふつをうしなう。
おうことなかれ。
しちじつにしてえん。

婦人が車の覆いを盗まれ出かけることが出来ない。
追わなくて良い。
七日経てば戻ってくる。

時間が解決してくれる。

忘れた頃にね。

05 水天需


三爻

高宗鬼方を伐つ。
三年にして之に克つ。
小人は用うる勿れ。

こうそうきほうをうつ。
さんねんにしてこれにかつ。
しょうじんはもちうるなかれ。

高宗が遠方の異民族を三年も掛けて討伐する。
そんな小人は用いてはならない。

高宗は殷(商)時代の王様。充分国が治まっているのに他国に戦争をけしかけて、兵や民に無駄な労力を使わせてる。

労力の無駄。温存が得策。

気持ちはわかるが。

03 水雷屯


四爻

繻に衣袽あり。
終日戒めよ。

じゅにいじょあり。
しゅうじついましめよ。

船底の穴から水が漏れるのをボロ切れで塞いでおく。
一日中警戒を怠らない。

衰運の前兆。油断しないように。

変化に備えて。違和感に気付いて。

49 沢火革


五爻

東隣の牛を殺すは、
西隣の禴祭して
実に其の福を受くるに如かず。

とうりんのうしをころすは、
せいりんのやくさいして
じつにそのふくをうくるにしかず。

東の国の祭りは牛を殺して供物として捧げる。
西の国の祭りは供物は質素だが、誠意が込めてあるので福を受ける。

誠実な行動が幸福を呼ぶ。

他所は他所、内は内。

36 地火明夷


上爻

其の首を濡おす。
厲うし。

そのくびをうるおす。
あやうし。

狐が川を渡ろうとして首まで濡らす。
危うし。

無理に進めるのは良くない。

引き返してみてはどうか。

37 風火家人


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