革命、改革。季節の変わり目に獣の毛が生え変わるように、熱された沢の水が沸騰するように、古きを淘汰し、常識と世界が一新する。
全部新しく。
卦辞
革。
巳る日にして乃ち孚とせらる。
元いに亨る。貞に利ろし。
悔い亡ぶ。
かく。
おわるひにしてすなわちまこととせらる。
おおいにとおる。ていによろし。
くいほろぶ。
改革は、余りにも急変するので始めのうちは誰からも理解されないが、時が経てばその改革の正しさに皆が気付き、それを守っていく。
古いものを改めた事に後悔も無くなる。
ちょっぴり寂しいけれど順応していく他無く。
変化が起こる。断固たる決意。
爻辞
初爻
鞏むるに黄牛の革を用う。
かたむるにこうぎゅうのかわをもちう。
固い牛革でその身を固く縛る。
足元を見つめる。今はまだ動けない。
時期尚早。準備も出来ていないしタイミングも悪い。
二爻
巳る日にして乃ち之を革む。
征けば吉。咎无し。
おわるひにしてすなわちこれをあらたむ。
いけばきち。とがなし。
時期を見計らって改革を行う。
進めば吉。咎められない。
新しい事が始まる予感。吉。
取り掛かるタイミングはまだ。
三爻
征けば凶。貞なれども厲うし。
革言三たびにして就る。
孚有り。
いけばきょう。ていなれどもあやうし。
かくげんみたびにしてなる。
まことあり。
改革を強行するのは凶。正しくても危うし。
世の中の改革を望む声が三度聞こえたら、それこそが真の改革の合図。
準備不足。進んではいけない。
改革とはいえ敵は少ないほうが良い。
四爻
悔い亡ぶ。
孚有りて命を改む。吉。
くいほろぶ。
まことありてめいをあらたむ。きち。
後悔は無い。
誠の心で改革を行う。吉。
新しい事を始めてみる。誠意のある行動を。
かなりの覚悟を要するようす。
五爻
大人虎変す。
未だ占わずして孚有り。
たいじんこへんす。
いまだうらなわずしてまことあり。
虎の毛が美しく生え変わるように、偉大なる人物は古きを一新し改革を遂げる。
占わずとも信頼していい。
断捨離。古いものは捨て去り、新しいものを取り入れる。
勢い大事。
上爻
君子豹変す。
小人面を革む。
征けば凶。貞に居れば吉。
くんしひょうへんす。
しょうじんめんをあらたむ。
いけばきょう。ていにおればきち。
人の上に立つ者は、豹の毛が鮮やかに生え変わるように改革に合わせて身も心も一新する。
凡人は表面だけを変え、人に従う。
これ以上の事は求めるのは凶。
成し遂げた改革の成果を守っていけば吉。
進めば凶。立ち止まって内面を改めれば吉。
一新した後で、更に変化を求めてはいけない。
「豹変」の元ネタ。