61 風沢中孚

61 ふうたくちゅうふ


かえるのうた

茶番をトばす。











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風沢中孚
ふうたくちゅうふ


吹き抜ける風が沢の水面に波紋を描く。その波紋は幾重にも重なって交じり合い、沢全体に行き渡る。

中孚は内側から出た孚(まこと)。親鳥が爪で雛を守る形。
親が子を守る時に自然に取る行動。
愛情や損得勘定、善悪すら追い越して内側から発現する習性、本能。

数年前のコロナ禍で、将来への不安からブログ書いて広告収入で副収入稼ぐぞ、なんて最初期の頃に抱いていた目標も今となっては優先順位の最後尾。

多分それほど大事じゃなかったんだろう。結果的には。向いてなかったってのもあるし。

「高い城の男」という小説。易占いについて調べ始めていた頃に知った、とあるホームページのお勧め書籍。

第二次世界大戦で枢軸国側が勝っちゃった世界線。
登場人物達それぞれが道しるべに使う易経と、内容がアレ過ぎて発禁になった一冊の小説を巡る群像劇。

Amazonプライムでドラマ化もされたフィリップKディックのSF小説。

亡き祖父の書いた占いの本で、毎日の様に占っていた祖母に話を合わせるために気まぐれで調べ始めた易占いをかけがえのない趣味に出来たのも、
自分の考えや価値観を下手クソなりに絵や言葉にして残すってなんかいいなと思えたのも、
カエルとガイコツの茶番を書き始めたのも、言うまでもなくこの小説とこの風沢中孚の影響。

もし、友達とかに「お前このクラスの六十四卦の中でなんか好きなタイプのヤツいる?」とか聞かれたら、真っ先に頭に思い浮かぶけど絶対に言わないような、個人的にはそんな卦。
全然タイプでもなんでもないのに、「いやー、地山謙(無難)かなー。」とか言っちゃうような、そんな卦。


卦辞

中孚。
豚魚にして吉。
大川を渉るに利ろし。
貞に利ろし。

ちゅうふ。
とんぎょにしてきち。
たいせんをわたるによろし。
ていによろし。

豚や魚にまで真心が伝わる。吉。
大事を行ってもよい。

先祖を祀る者の誠意がお供え者の豚や魚にまで伝わる。
あるいは豚や魚の様に無知蒙昧な下賤な者にもその真心が行き渡る。

下賤な者を豚とか魚に例えるんじゃない。
オレを豚とか魚に例えるんじゃない、豚と魚に失礼だろ。

と、誰かが言ったからなのかどうかは知らないが、中国ではイルカの事を豚魚と言うらしくて、風に敏感なイルカが水面に顔を出し、風の吹いてる方に顔を向ける習性を、一切の私心の無い自然と内側から出る行動の例えにしたって話も。


爻辞

みんな一生懸命。


初爻

虞れば吉。
它有れば燕からず。

はかればきち。
たあればやすからず。

信じて疑わなければ吉。
他に心を移してしまうと、安息は得られない。

自信。一途。自身を疑わない才能。


二爻

鳴鶴陰に在り。
其の子之に和す。
我に好爵有り。
吾爾と之を靡にせん。

めいかくいんにあり。
そのここれにわす。
われにこうしゃくあり。
われなんじとこれをともにせん。

茂みの中から親鳥が鳴く。
その子はそれに応える。
私には美味い酒がある。
あなたと共にそれを飲みたい。

ラブレター。


三爻

敵を得て、
或いは鼓し、或いは罷み、
或いは泣き、或いは歌う。

てきをえて、
あるいはこし、あるいはやみ、
あるいはなき、あるいはうたう。

敵を定める。
威勢よく攻めたり、敵わなくて逃げたり、
反撃を恐れて泣いたり、敵が追ってこなくて安心して歌ったり。

全部てめえ一人で勝手にやってる。


四爻

月望に幾
馬匹亡う。咎无し。

つきぼうにちかし。
うまひつうしなう。とがなし。

月が満月に近い。
仲間を失う。咎められない。

昇進のタイミングを満月に近い月に例えてる。
足を引っ張ってくる馴れ合いの関係を断ち切る。


五爻

孚有りて攣如たり。
咎无し。

まことありてれんじょたり。
とがなし。

真心で結ばれる。
咎められない。

誰に何を言われようともな。


上爻

翰音天に登る。
貞なれば凶。

かんおんてんにのぼる。
ていなればきょう。

鳥の羽ばたく音だけが空に響く。
改めなければ凶。

飛べないのに飛ぼうとする鶏。
笑うな。


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