
窮屈に抗え。
卦辞
否。之れ人に匪ず。
君子の貞に利ろしからず。
大往き小来たる。
ひ。これひとにあらず。
くんしのていによろしからず。
だいゆきしょうきたる。
人としての道理が通じない時。
君子の正しさをもってしても無理。
大きなものは去り、小さなものがやって来る。
物事は思い通りに行かない。じっと時を待て。
フェアプレイは通じにくい。あの手この手。
爻辞
初爻
茅を抜くに茹たり。
其の彙を以てす。
貞吉にして亨る。
ちがやをぬくにじょたり。
そのたぐいをもってす。
ていきつにしてとおる。
茅を一本抜くと、他の茅もゾロゾロ抜けて来る。
正しい道を守っていれば、吉にして亨る。
トラブルの連鎖。万事控えめが吉。人と一緒に行動。
二爻
包承す。小人は吉。
大人は否にして亨る。
ほうしょうす。しょうじんはきち。
たいじんはひにしてとおる。
包み隠し、人に従う。
小人は普通にしていれば吉。
大人は目立つ事をせず、小人に倣えば順調に進む。
じっくりと慎重に事を進める。人のアドバイスには従った方が良い。吉。
爪を隠せ。
三爻
羞を包む。
はじをつつむ。
人に言えない事を包み隠している。
能力の無い者が人の上に居座ってる現状を隠している。
人間関係に注意。なにか隠し事や裏側がある。
四爻
命有り咎无し。疇祉いに離く。
めいありとがなし。たぐいさいわいにつく。
ふさがっていた事が開けて天命を授かる。
それに従えば咎められない。
仲間と共に幸福を得る。
吉運の兆し。自信を取り戻す。喜びを分かち合う。
五爻
否を休す。大人は吉。
其れ亡びん其れ亡びんとす。
苞桑に繋ぐ。
ひをきゅうす。たいじんはきち。
それほろびんそれほろびんとす。
ほうそうにつなぐ。
塞がっていた状況が一旦は和らぐ。
まだ完全に開けたわけではなくて、あくまで小休止。
大人はそれを理解しているので細い桑の枝にぶら下がっているときの気持ちで油断せず、恐れ慎むので吉。
光は射すが、道は未だ細く険しい。慎重に。
上爻
否を傾く。
先に否がり後には喜ぶ。
ひをかたむく。
さきにふさがりあとにはよろこぶ。
塞がっていた状況もいずれは傾く。
今は塞がっている事も、もうすぐ開けて喜びになる。
道が段々開けて来た。忍耐が報われる。
天は地を臨まず、地は天を仰がず。天地交わらず、出口を探し回る。今にも閉まりそうな扉、片足だけ突っ込んではみたけれど。
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