61 風沢中孚

沢の水面を撫でる風。満遍なく広がる波紋は、多分全部本物。誠、真心、愛の爪痕。オレが豚野郎でも、世の中が魚臭くても、信じない理由にはならないぜ。

照れ隠しの裏に、まごころを君に。



卦辞

中孚。
豚魚にして吉。
大川を渉るに利ろし。
貞に利ろし。

ちゅうふ。
とんぎょにしてきち。
たいせんをわたるによろし。
ていによろし。

豚や魚にまで真心が伝わる。吉。
大事を行ってもよい。

打算や理屈は要らない。自身の内側から発現したって事が重要。


爻辞


初爻

虞れば吉。
它有れば燕からず。

はかればきち。
たあればやすからず。

信じて疑わなければ吉。
他に心を移してしまうと、安息は得られない。

一途な思いが吉運を呼び込む。

よそ見はするなよ。

59 風水渙


二爻

鳴鶴陰に在り。
其の子之に和す。
我に好爵有り。
吾爾と之を靡にせん。

めいかくいんにあり。
そのここれにわす。
われにこうしゃくあり。
われなんじとこれをともにせん。

茂みの中から親鳥が鳴く。
その子はそれに応える。
私には美味い酒がある。
あなたと共にそれを飲みたい。

人との親睦を深める。良い結果が得られる。

特に仲の良いヤツと。

42 風雷益


三爻

敵を得て、
或いは鼓し、或いは罷み、
或いは泣き、或いは歌う。

てきをえて、
あるいはこし、あるいはやみ、
あるいはなき、あるいはうたう。

敵を定める。
威勢よく攻めたり、敵わなくて逃げたり、
反撃を恐れて泣いたり、敵が追ってこなくて安心して歌ったり。

優柔不断。右往左往。動かない方が良い。

楽しそうに見えるが。

09 風天小畜


四爻

月望に幾し。
馬匹亡う。咎无し。

つきぼうにちかし。
うまひつうしなう。とがなし。

月が満月に近い。
仲間を失う。咎められない。

出世に期待。それ以外は要らない。

私情を捨てて、職務を全う。

10 天沢履


五爻

孚有りて攣如たり。
咎无し。

まことありてれんじょたり。
とがなし。

真心で結ばれる。
咎められない。

本当の気持ちを伝えてみては。

誰に何を言われてもさ。

41 山沢損


上爻

翰音天に登る。
貞なれば凶。

かんおんてんにのぼる。
ていなればきょう。

鳥の羽ばたく音だけが空に響く。
改めなければ凶。

今ひとつ届かない。

夢は夢のままで。

60 水沢節


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