風に乗って響く雷鳴。風雷合一、運も実力。大川も労せず、そんな日もある。吹き荒ぶ風、オレを駆り立てろよ。鳴り止まぬ爆音、オレを焚きつけろよ。
ツキが回ってきやがった。
卦辞
益。往く攸有るに利ろし。
大川を渉るに利ろし。
えき。ゆくところあるによろし。
たいせんをわたるによろし。
進んで事を行ってもよい。
大川を渡るような大きな事を行ってよい。
下の頑張りで豊かになった上が今度はその利益を下に分け与える。要するにボーナス。大盤振る舞い。
利益が見込める。積極的に進むこと。
爻辞
初爻
用て大作を為すに利ろし。
元吉。咎无し。
もってたいさくをなすによろし。
げんきつ。とがなし。
上からの援助で大きな物を産み出す。
元いに吉。咎められることも無い。
積極的に進んで良い。大吉。
大量生産だ。
二爻
或いは之を益す。
十朋の亀も違う克わず。
永貞にして吉。
王用て帝に亨す。吉。
あるいはこれをえきす。
じゅっぽうのきもたがうあたわず。
えいていにしてきち。
おうもってみかどにきょうす。きち。
利益を得る。
例えば貴重な亀の甲羅で占っても間違いなく。
末永く存続させる事が吉。
王は帝を祀り、それを受け帝も吉を与える。
利益が見込める。
誰かがちゃんと見てくれている。
三爻
之を益するに凶事を用う。咎无し。
孚有りて中行。
公に告げて圭を用う。
これをえきするにきょうじをもちう。とがなし。
まことありてちゅうこう。
こうにつげてけいをもちう。
利益を得る為に凶事と苦難を受ける。咎められる事は無い。
嘘偽りは無く、偏りも無い。
そのことを公に告げれば、誠意が伝わる。
苦難あり。乗り越えた先に利益が。
頑張れば頑張るほどプラスに。
四爻
中行公に告げて従わる。
依りて国を遷すことを為すに用うるに利ろし。
ちゅうこうこうにつげてしたがわる。
よりてくにをうつすことをなすにもちうるによろし。
民を思う誠意が王を動かす。
国を移す大仕事も任される。
目下の意見を尊重して、目上の人にも従うこと。
中間管理職。バランス感覚は高評価。
五爻
孚有り恵心。
問うこと勿れ元いに吉。
孚有りて我が徳を恵む。
まことありけいしん。
とうことなかれおおいにきち。
まことありてわがとくをめぐむ。
王は誠心誠意国を支える民を潤す。
占うまでもなく元いに吉。
民もこの恩恵を受けて更に王に従う。
大吉。人が自分の為に動いてくれる。
占うまでもなく。
上爻
之を益する莫し。
或いは之を撃つ。
心を立つること恒无し。凶。
これをえきするなし。
あるいはこれをうつ。
こころをたつることつねなし。きょう。
自分の利益ばかりで人を益する事をしない。敵を作る。
考えるのは損得の事だけ。
ずっとそのことばかり。凶。
自分の利益のために信頼を失う。凶。
結局は、与える誰かがいればこそ。