もう11月なのに暖かい晴れの日、飼い猫を日向ぼっこ。
冬になったらこんなに表に出せない。というかオレがクソ寒い中を猫の為に外に出たくない。1回出ると長いからな、コイツは。
庭をグルグル回らせた後、リードをほったらかし用のロープに結んで家の周りを片付けてたら、隣家との塀の上に一つの影。
黒猫だ。首輪はしてないから多分野良か。人間が近づいても全然ビビらない。なんか強そうだしカッコいいぞ、コイツ。
ウチのボスに絡んでるみたい。ずっと鳴き合ってる。ウチのボスは自慢じゃないけど太陽の様に光り輝く茶トラなので、並べると陰と陽。光と影。太陽と闇。まるで火拳のエースと黒ヒゲだ。
見た目というか体捌きで既に勝てそうにないし、そもそも何不自由無く暮らして来た飼い猫と修羅場をくぐって来たアウトローとでは戦う前から勝負はついてる。
ずっと鳴き合ってるからお隣さんにも迷惑なので、一旦追い返して別の場所で遊ばせる。またな、ふてぶてしい野良の黒猫。ノラクロ。カゲチヨ。ノワール。カフカ。大黒天。ヨル。ジジ。ヤマト運輸。ロデム。
思い返したら一昨年くらいの春だったか、庭に入り込んでたちっちゃい黒猫。捕まえようとして逃がしちった黒猫。
もしかしたらあの時のアレか、もし生きてたらこれくらいか、もしかしたらずっとオレんちの庭を縄張りに?
そんなわけないか。猫違いだろう。
とりあえず水でも飲んでおちつけオマエらと、差し出した水も視界に入れず、塀から中には一歩も入れず、まるでライバルみたいな対比と構図。
お互い一歩も譲らず。ヤンキーのガンの飛ばし合いみたいだ。
飼い主として、一人の男として、野良猫から自分の家を守る飼い猫のたった独りの闘いを見届けたかったけど、
なんか勝負ついたみたい。
レフェリーストップ。帰るよボス。
またな、野良の黒猫。お前とオレらじゃ生きる世界が違いすぎるぜ。弱い側のセリフじゃないが。凍え死にそうになったら助けてやるよ。
こんなに高い位置に。今年は暖冬らしいけど、また去年みたいに積もるだろうか。
去年のカマキリは読みバッチリだったけど、今年のカマキリはどうかな、ウチのボスみたいにビビりなカマキリって線もワンチャン。