11 地天泰

ちてんたい


天の恵みを受け、地は万物を育む。つまり安泰。つまり盤石。


卦辞

泰。小往き大来たる。
吉にして亨る。

たい。しょうゆき だいきたる。
きちにしてとおる。

小さなものが去り、大きなものが来る。
吉にして順調。


爻辞へ


運勢

とてつもなく安定している。将来に備えての準備の時。


願い事

急には叶わず。徐々に成就へ向かう。


金談

金運には恵まれる。心のゆるみで失敗しないように。


恋愛

相思の仲にて成立する。お互いのわがままを出さないように。


開業

始めても良し。繫盛する。


転業

転じて吉。


就職

好地位を得る。慢心しないように。


旅行

楽しい旅行となる。吉。


移転

転じて吉。


もつれ事

おとなしく示談。有利に解決する。


病気・怪我

間もなく全快する。全快後の油断に注意。


試験

好成績にて合格。


人探し

心配無用。間もなく帰る。


物探し

見つかる。西南か西北を尋ねる。


吉方位

西南。および西北。


凶方位

東。および西。


爻辞


初爻

茅を抜くに茹たり。
其の彙を以てす。征けば吉。

ちがやをぬくにじょたり。
そのたぐいをもってす。ゆけばきち。

茅を抜くと他の茅もぞろぞろ抜けて来るように、優秀な人材が集まってくる。
行けば吉。

自分の下に人が集まってくる。

人間関係を広める。吉。

46 地風升


二爻

荒を包ぬ。馮河を用う。遐遺せず。
朋亡ぶれば中行に尚うことを得。

こうをかぬ。ひょうがをもちう。かいせず。
ともほろぶればちゅうこうにあうことをう。

泰平の世を維持するのに必要なのは、悪人さえも許して包む寛容さ、大河を渡る勇気、遠く細かいところまで目を行き渡らせる配慮、そして分け隔てなく平等に扱う公平さ。

高水準で安定している。そのままで良い。

大吉。人間関係のミスに注意。

36 地火明夷


三爻

平にして陂かざる无く、
往きて復らざる无し。
艱貞なれば咎无し。
恤うる勿れ。
其れ孚ならば食に于て福有り。

たいらにしてかたむかざるなく、
ゆきてかえらざるなし。
かんていなればとがなし。
うれうるなかれ。

それまことならばしょくにおいてふくあり。

平らなものもいずれは傾く。
いなくなったものもいつか帰ってくる。
辛く苦しい時期でも、正しい道を守っていれば咎められない。
心配はいらない。誠の心があればどんな境遇でも幸福でいられる。

衰運の兆し。足元を固めてから行動。状況の変化に流されないように。

19 地沢臨


四爻

翩翩富まず。其の隣を以てす。
戒めずして以て孚あり。

へんへんとまず。そのとなりをもってす。
いましめずしてもってまことあり。

チョウチョがヒラヒラと飛ぶように、自分の身分の高さをひけらかさず、低い身分の者に教えを受ける。

下降運。心を広く持って冷静に。信頼出来る上下関係。目下の人物を頼っても良い。

34 雷天大壮


五爻

帝乙妹を帰がしむ。
以て祉あり元吉。

ていおつ まいをとつがしむ。
もってさいわいありげんきつ。

王様が自分の娘を臣下に嫁がせる。
その絆が幸福を呼び込む、元いに吉。

引き際。人に任せても良し。大吉。

05 水天需


上爻

城隍に復る。師を用うる勿れ。
邑より命を告ぐ。
貞なるも吝。

しろ からほりにかえる。しをもちうるなかれ。
むらよりめいをつぐ。
ていなるもりん。

城が崩れて瓦礫に返る。戦争どころじゃない。
王の命令を狭い範囲に留めて、被害を最小限に抑える他ない。

バランスが崩れる。下手に動かないこと。
耐え忍び、機会を伺う。

26 山天大畜