上で燃え上がる火と、下に流れ落ちる水。掠りもしない純然たる不揃い。未だととのわず、今もまだ夢から醒めず、井の中の蛙、水中で火を灯す。
これからの話。
卦辞
未済。
亨る。
小狐汔んど済らんとして、
其の尾を濡す。
利ろしき攸无し。
びせい。
とおる。
しょうこほとんどわたらんとして、
そのおをうるおす。
よろしきところなし。
順調に進む。
小狐が川を渡り切る前に尾を濡らして戻ってくる。
全然良くない。
未熟、分不相応、スタートラインに立つにはまだ早い。
準備に費やす。イメージを膨らましているところ。
これから段々進展していく。
爻辞
初爻
其の尾を濡す。
吝。
そのおをうるおす。
りん。
小狐が川を渡ろうとして尾を濡らして戻ってくる。
恥をかく。
実力不足。分不相応。動かない方が良い。
タイミングも悪い。
二爻
其の輪を曳く。
貞にして吉。
そのりんをひく。
ていにしてきち。
車の車輪を進まないように引き止めて置く。
その状態で吉。
進めないから進まない。それくらいで良い。
冷静な状況判断。
三爻
未済。
征けば凶。
大川を渉るに利ろし。
びせい。
いけばきょう。
たいせんをわたるによろし。
未だととのわず。
進めば凶。
大川を渡っても良い。
時期尚早。今は待つ。
いずれ進めるようになる。
変化の兆し。準備だけはしておいて。
四爻
貞にして吉。悔い亡ぶ。
震いて用て鬼方を伐つ。
三年にして大国に賞有り。
ていにしてきち。くいほろぶ。
ふるいてもってきほうをうつ。
さんねんにしてたいこくにしょうあり。
段々と国がととのってきたので、引き続き努めれば吉。後悔は無くなる。
武を奮って遠方の異民族を討伐する。
三年掛けて成し遂げ、国から讃えられる。
行動の時。実力を発揮出来る。
出し惜しみ無く。
五爻
貞にして吉。悔い无し。
君子の光。孚有りて吉。
ていにしてきち。くいなし。
くんしのひかり。まことありてきち。
バラバラだった事を一つにまとめ上げる。
あとはそれを固く守れば吉。
後悔は無くなる。
君子の徳は光り輝き、誠の心となり吉。
吉。進んでも良い。自分の誠意が通じる時。
全てが順調。全てが味方。
上爻
飲酒に孚有り。
咎无し。
其の首を濡せば、
孚有るも是を失う。
いんしゅにまことあり。
とがなし。
そのくびをうるおせば、
まことあるもこれをうしなう。
全てがととのった後には心から望んだ酒を飲む。
咎められない。
首を濡らすように酒に溺れてしまえば、どれだけ心が満たされてもまた失う事に。
目的を果たせる。但し調子に乗り過ぎない事。
一段落して、次に進む。