昇る太陽。万物差し置く最速の初動。つまり朝日。つまり日の出。微睡みを剥ぐ生まれたての光明。
起きたら動け。
卦辞
晋。康侯用て馬を錫うこと蕃庶。
昼日三たび接す。
しん。こうこうもってうまをたまうことはんしょ。
ちゅうじつみたびせっす。
民を大事にする領主が、王様から馬をたくさん貰う。
更に一日の間に三度も王との謁見を許される。
誰よりも高く昇り、誰よりも明るく照らす。
人が一日掛けてやっと出来ることを、三回位やっちゃう。
上昇運。仕事や人付き合いは良好。家事や健康は疎か。
爻辞
初爻
晋如。摧如。貞にして吉。
孚せらるるなきも、
裕にして咎无し。
しんじょ。さいじょ。ていにしてきち。
まことせらるるなきも、
ゆたかにしてとがなし。
障害があっても、自分が信じた道をたった独りでも進む。吉。
人から信じられなくても、心を穏やかにしていれば咎められない。
トラブル有り。それでも進むべき。
二爻
晋如。愁如。貞にして吉。
茲の介福を其の王母より受く。
しんじょ。しゅうじょ。ていにしてきち。
このかいふくをそのおうぼよりうく。
進めなくて困っている。それでも志を曲げたりはしない。吉。
いずれは幸福を王母から与えられる。
王母は聖母。女神様のようなもの。
悩みが解決して進めるようになる。
三爻
衆允とす。悔い亡ぶ。
しゅうまこととす。くいほろぶ。
多くの人に信頼される。後悔はない。
進もうとする意気込みが評価点。
四爻
晋如。鼫鼠。貞くすれば厲うし。
しんじょ。せきそ。かたくすればあやうし。
欲深い大ネズミ。このまま進めば危うい。
進む道を間違えてる。引き返さないと危ない。
前提から見直しを。
五爻
悔い亡ぶ。失得恤うる勿れ。
往きて吉。
利ろしからざる无し。
くいほろぶ。しっとくうれうるなかれ。
ゆきてきち。
よろしからざるなし。
後悔は無い。損得勘定も必要無い。
進めば吉。
良くないわけがない。
疑う余地など無く、自信に満ち溢れている。
上爻
其の角に晋む。維用て邑を伐つ。
厲うけれども吉にして咎无し。
貞くすれば吝。
そのつのにすすむ。これもってゆうをうつ。
あやうけれどもきちにしてとがなし。
かたくすればりん。
進み過ぎてこれ以上進めないところまで進んだ。
内乱を鎮圧する。危ういが吉。咎められない。
しかしそれが正しくても恥ずべきことである。
進むことが目的になってしまっていないか。
進み過ぎる。これ以上は進まないほうが良い。