風が吹いている。

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フゥ
「…。」

ここはなんだ?

広い空間…かな?暗いから分からないけど、暗いからどっちでもいいけど。

ここにも岩が転がってる…。なんなんだろ?この岩。
暗いから気付いたけど、ぼんやりと光ってる。シャッターをくぐった時に触れたけど、なんだかちょっと暖かい…。

まるで産みたての卵みたいに、まるでエンジンを止めた後の車のボンネットみたいに。

これから何かが始まるような、これまでの何かが終わったような。主張は弱く、周りに忘れられない為だけの頼りない光と熱。

フゥ
「昔のアタシに良く似てる。」

今のアタシはただハラが減ってる。

フゥ
「化粧がヘタなところが特に。」

全部古巣に置いてきちゃったね。

向こうにも何かある。なんだろう?
地下世界への入り口か、地上世界へ逆戻りか。どっちでもいい。とにかくここから出られれば。

フゥ
「なんだ?こりゃ?」

壁に張り付いてる五角形…。ぶっといホースが何本も生えていて、真ん中には、

フゥ
「はあ、また穴が開いてる。」

なんかの装置だろうか?なんかの装置なんだろう。意味も無く置いてある方が不自然だ。

何に使う為のモノなんだろう?地下に繋がる穴の底にある訳だから、この装置を使って地上にゴミを送ってるのかも。

どんな原理かは分からないけど、地球の真ん中に移り住むくらいだ、きっと出来ないことの方が少ないんだろう。

動いてはいないみたいだね。でも風はこの穴から吹いている。この先があるって事だ。

フゥ
「え?」

フゥ
「うぉおっ?!」

フゥ
「ちょっとおぉおぉぉーっ??」

フゥ
「またかよぉおぉぉぉぉ!」

風が吹いている。

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