
これ以上は蛇足。
卦辞
既済。
亨るものは小なり。
貞に利ろし。
初めは吉にして終わりは乱る。
きせい。
とおるものはしょうなり。
ていによろし。
はじめはきちにしておわりはみだる。
既にととのっているので、順調に進む事も少しだけ。
この状態を守る事が良い。
初めのうちは吉だが、終わりにかけて乱れる。
当たり前の事が当たり前に出来る事の価値よ。
現状は吉だが衰運迫る。守りを意識。
爻辞
初爻
其の輪を曳く。
其の尾を濡おす。
咎无し。
そのりんをひく。
そのおをうるおす。
とがなし。
車の車輪を引っ張って止める。
狐は川を渡ろうとしてその尾を濡らす。
咎められない。
そのままでは進めない。
そのままでいい。
二爻
婦其の茀を喪う。
逐うこと勿れ。
七日にして得ん。
ふそのふつをうしなう。
おうことなかれ。
しちじつにしてえん。
婦人が車の覆いを盗まれ出かけることが出来ない。
追わなくて良い。
七日経てば戻ってくる。
時間が解決してくれる。
忘れた頃にね。
三爻
高宗鬼方を伐つ。
三年にして之に克つ。
小人は用うる勿れ。
こうそうきほうをうつ。
さんねんにしてこれにかつ。
しょうじんはもちうるなかれ。
高宗が遠方の異民族を三年も掛けて討伐する。
そんな小人は用いてはならない。
高宗は殷(商)時代の王様。充分国が治まっているのに他国に戦争をけしかけて、兵や民に無駄な労力を使わせてる。
労力の無駄。温存が得策。
気持ちはわかるが。
四爻
繻に衣袽あり。
終日戒めよ。
じゅにいじょあり。
しゅうじついましめよ。
船底の穴から水が漏れるのをボロ切れで塞いでおく。
一日中警戒を怠らない。
衰運の前兆。油断しないように。
変化に備えて。違和感に気付いて。
五爻
東隣の牛を殺すは、
西隣の禴祭して
実に其の福を受くるに如かず。
とうりんのうしをころすは、
せいりんのやくさいして
じつにそのふくをうくるにしかず。
東の国の祭りは牛を殺して供物として捧げる。
西の国の祭りは供物は質素だが、誠意が込めてあるので福を受ける。
誠実な行動が幸福を呼ぶ。
他所は他所、内は内。
上爻
其の首を濡おす。
厲うし。
そのくびをうるおす。
あやうし。
狐が川を渡ろうとして首まで濡らす。
危うし。
無理に進めるのは良くない。
引き返してみてはどうか。
上から流れ落ちる水と、下から燃え上がる火の瞬間的調和。既にととのい、陰陽出揃う。その完成すらも一過性。自分で終止符を打つ事が出来ないなら、人生が百年でも二百年でも思う事に大して変わりはなく。散々擦られた名言を、千年かけて答え合わせ。
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