
波紋のように広がる真心。
卦辞
中孚。
豚魚にして吉。
大川を渉るに利ろし。
貞に利ろし。
ちゅうふ。
とんぎょにしてきち。
たいせんをわたるによろし。
ていによろし。
豚や魚にまで真心が伝わる。吉。
大事を行ってもよい。
打算や理屈は要らない。自身の内側から発現したって事が重要。
爻辞
初爻
虞れば吉。
它有れば燕からず。
はかればきち。
たあればやすからず。
信じて疑わなければ吉。
他に心を移してしまうと、安息は得られない。
一途な思いが吉運を呼び込む。
よそ見はするなよ。
二爻
鳴鶴陰に在り。
其の子之に和す。
我に好爵有り。
吾爾と之を靡にせん。
めいかくいんにあり。
そのここれにわす。
われにこうしゃくあり。
われなんじとこれをともにせん。
茂みの中から親鳥が鳴く。
その子はそれに応える。
私には美味い酒がある。
あなたと共にそれを飲みたい。
人との親睦を深める。良い結果が得られる。
特に仲の良いヤツと。
三爻
敵を得て、
或いは鼓し、或いは罷み、
或いは泣き、或いは歌う。
てきをえて、
あるいはこし、あるいはやみ、
あるいはなき、あるいはうたう。
敵を定める。
威勢よく攻めたり、敵わなくて逃げたり、
反撃を恐れて泣いたり、敵が追ってこなくて安心して歌ったり。
優柔不断。右往左往。動かない方が良い。
楽しそうに見えるが。
四爻
月望に幾し。
馬匹亡う。咎无し。
つきぼうにちかし。
うまひつうしなう。とがなし。
月が満月に近い。
仲間を失う。咎められない。
出世に期待。それ以外は要らない。
私情を捨てて、職務を全う。
五爻
孚有りて攣如たり。
咎无し。
まことありてれんじょたり。
とがなし。
真心で結ばれる。
咎められない。
本当の気持ちを伝えてみては。
誰に何を言われてもさ。
上爻
翰音天に登る。
貞なれば凶。
かんおんてんにのぼる。
ていなればきょう。
鳥の羽ばたく音だけが空に響く。
改めなければ凶。
今ひとつ届かない。
夢は夢のままで。
沢の水面を撫でる風。満遍なく広がる波紋は、多分全部本物。誠、真心、愛の爪痕。オレが豚野郎でも、世の中が魚臭くても、信じない理由にはならないぜ。
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