
心は散らない。
卦辞
渙。
亨る。王有廟に假る。
大川を渉るに利ろし。
貞に利ろし。
かん。
とおる。おうゆうびょうにいたる。
たいせんをわたるによろし。
ていによろし。
順調に進む。王は先祖の霊を祀る。
大業を成し遂げる時。
道を外さないように。
散り散りになった人心を集め、国を一つにする大義の為に先祖の霊を祀って自身の私情や妄執を消し散らす。の巻。
悩んでいた人はその悩みが散る。
順調な人は今までの努力が散ってしまわないように注意。
爻辞
初爻
用て拯う。
馬壮んなれば吉。
もってすくう。
うまさかんなればきち。
誰かに頼って救われる。
強い馬のような存在であれば吉。
無理しないで専門家に頼る事。
台無しになっちゃう前に。
二爻
渙の時、其の机に奔る。
悔い亡ぶ。
かんのとき、そのきにはしる。
くいほろぶ。
散乱の時に、一休み出来る机に走る。
後悔は無くなる。
無理せずに一休み。
自分の事で手一杯。
三爻
其の躬を渙らす。
悔い无し。
そのみをちらす。
くいなし。
自分の身を散らす。
後悔は無い。
捨て身で事に当たる。
信念のオールイン。積み上げてきた事を散らす時。
四爻
其の羣を渙らす。
元いに吉。
渙らして丘る有り。
夷の思う所に匪ず。
そのぐんをちらす。
おおいにきち。
ちらしてあつまるあり。
いのおもうところにあらず。
自分の組織を解散する。
元いに吉。
解散する前よりも多くの人が集まってくる。
凡人の考えの及ばないところ。
目的のため、要らないものを捨て去る。大吉。
空いたスペースの有効活用。
五爻
渙の時、其の大号を汗にす。
王居を渙らして咎无し。
かんのとき、そのだいごうをかんにす。
おうきょをちらしてとがなし。
散乱の時。一度流れ出た汗が体に戻る事が無いように、王が一度下した命令は決して覆してはいけない。王の財を民の為に使う。咎められない。
人の為に私財を費やす。
今まで流した血と汗を無駄には出来ない。
上爻
其の血を渙らす。
去りて逖く出づ。
咎无し。
そのちをちらす。
さりてとおくいづ。
とがなし。
自身を傷つける物事を散らし、遠く離れた場所に身を置く。咎められない。
トラブルからは遠ざかる。
単独行動が楽に感じる環境。
水面を走る風がその水を散らす。分散、離散、消散と再構築。舞い上がる水滴一粒一粒も、完全に消えて無くなることは無く、また一つの大きな流れの下へ。
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