56 火山旅


自分以外の誰かが作った世界を。


卦辞

旅。
小しく亨る。
旅は貞にして吉。

りょ。
すこしくとおる。
りょはていにしてきち。

少しだけ順調に進む。
旅先では慎重にして吉。

旅に出たら旅に従え。

人の意見に耳を傾ける。受け身で対処。


爻辞


初爻

旅、瑣瑣たり。
斯れ其の災いを取る所。

りょ、ささたり。
これそのわざわいをとるところ。

旅先で落ち着きがない。災いを自ら招くよう。

焦らず計画を立ててから行動。

綿密な計画に裏打ちされた隙のない所作。

30 離爲火


二爻

旅、次に即き、
其の資を懐き、
童僕の貞を得。

りょ、じにつき、
そのしをいだき、
どうぼくのていをう。

旅に出るに当たって、
泊まる宿があり、
資金も充分にあり、
土地勘の良い忠実なお供もいる。

足場が固まる。自信を持って行動。

なんの不安も無い旅路。全てに感謝を。

50 火風鼎


三爻

旅、其の次を焚く。
其の童僕の貞を喪う。
厲うし。

りょ、そのじをやく。
そのどうぼくのていをうしなう。
あやうし。

泊まっていた宿が燃える。
付き従っていたお供も離れていく。
危うし。

足場を失う。しばらく待て。

不安しか無い旅路。控えめに、謙虚に。

35 火地晋


四爻

旅、于に処る。
其の資斧を得。
我が心快からず。

りょ、ここにとどまる。
そのしふをう。
わがこころこころよからず。

旅先で長く留まる。
信用を得て厚遇される。
まだ旅の途中なので落ち着かない。

不安定。落ち着いて行動。

不満は無いが、なんかちょっと違う気がする。

52 艮爲山


五爻

雉を射て一矢失う。
終に以て誉命あり。

きじをいていっしうしなう。
ついにもってよめいあり。

雉を仕留めて矢を一本失う。
最後には名誉を得る。

最初は躓く。最後は目的を果たせる。

失うものはあったが、その見返りも大きく。

33 天山遯


上爻

鳥其の巣を焚く。
旅人先には笑い、
後には咷き号ぶ。
牛を易に喪う。
凶。

とりそのすをやく。
たびびとさきにはわらい、
のちにはなきさけぶ。
うしをさかいにうしなう。

きょう。

鳥がその巣を焼かれる。
旅を忘れた旅人は、最初は笑い、
最後は泣き叫ぶ。
旅を共にしてきた牛も失う。
凶。

初心忘れるべからず。

客として扱われたければそれなりの礼儀は必要だよな。

62 雷山小過


暗い山道、火を灯す旅路。月明かりに照らされて、影だけが引き摺られ。所詮この世は人の夢、誰かが叶えた夢の果て。落ち着かないか?落ち着いていられるか。

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