
自分以外の誰かが作った世界を。
卦辞
旅。
小しく亨る。
旅は貞にして吉。
りょ。
すこしくとおる。
りょはていにしてきち。
少しだけ順調に進む。
旅先では慎重にして吉。
旅に出たら旅に従え。
人の意見に耳を傾ける。受け身で対処。
爻辞
初爻
旅、瑣瑣たり。
斯れ其の災いを取る所。
りょ、ささたり。
これそのわざわいをとるところ。
旅先で落ち着きがない。災いを自ら招くよう。
焦らず計画を立ててから行動。
綿密な計画に裏打ちされた隙のない所作。
二爻
旅、次に即き、
其の資を懐き、
童僕の貞を得。
りょ、じにつき、
そのしをいだき、
どうぼくのていをう。
旅に出るに当たって、
泊まる宿があり、
資金も充分にあり、
土地勘の良い忠実なお供もいる。
足場が固まる。自信を持って行動。
なんの不安も無い旅路。全てに感謝を。
三爻
旅、其の次を焚く。
其の童僕の貞を喪う。
厲うし。
りょ、そのじをやく。
そのどうぼくのていをうしなう。
あやうし。
泊まっていた宿が燃える。
付き従っていたお供も離れていく。
危うし。
足場を失う。しばらく待て。
不安しか無い旅路。控えめに、謙虚に。
四爻
旅、于に処る。
其の資斧を得。
我が心快からず。
りょ、ここにとどまる。
そのしふをう。
わがこころこころよからず。
旅先で長く留まる。
信用を得て厚遇される。
まだ旅の途中なので落ち着かない。
不安定。落ち着いて行動。
不満は無いが、なんかちょっと違う気がする。
五爻
雉を射て一矢失う。
終に以て誉命あり。
きじをいていっしうしなう。
ついにもってよめいあり。
雉を仕留めて矢を一本失う。
最後には名誉を得る。
最初は躓く。最後は目的を果たせる。
失うものはあったが、その見返りも大きく。
上爻
鳥其の巣を焚く。
旅人先には笑い、
後には咷き号ぶ。
牛を易に喪う。
凶。
とりそのすをやく。
たびびとさきにはわらい、
のちにはなきさけぶ。
うしをさかいにうしなう。
きょう。
鳥がその巣を焼かれる。
旅を忘れた旅人は、最初は笑い、
最後は泣き叫ぶ。
旅を共にしてきた牛も失う。
凶。
初心忘れるべからず。
客として扱われたければそれなりの礼儀は必要だよな。
暗い山道、火を灯す旅路。月明かりに照らされて、影だけが引き摺られ。所詮この世は人の夢、誰かが叶えた夢の果て。落ち着かないか?落ち着いていられるか。
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