
一段一段、登って行くのだ。
卦辞
漸。
女帰に吉。貞に利ろし。
ぜん。
じょとつぐにきち。ていによろし。
女性が嫁いでいく。
間違いの無いように順を追って進むので吉。
正しい道を守っているので良い。
正攻法で嫁いでいく女性の所作を見習えっていう話。
明るい未来が見える。吉。
爻辞
初爻
鴻、干に漸む。
小子厲うし。
言有るも咎无し。
こう、みぎわにすすむ。
しょうしあやうし。
ことあるもとがなし。
鴻が水際に進む。
若く幼いので危うい。
多少文句を言われる事もあるが、咎められない。
未熟である事を自覚する。慎重に進む。
一番危ういのは自分から選択を放棄して人の指示に従って失敗しちゃう事。
二爻
鴻、磐に漸む。
飲食衎衎たり。吉。
こう、いわおにすすむ。
いんしょくかんかんたり。きち。
鴻が岩の上に進む。
飲食をして楽しむ。吉。
悠々と進む。
心にゆとりを、スケジュールにレストランを。
三爻
鴻、陸に漸む。
夫征きて復らず。
婦孕みて育わず。
凶なり。
寇を禦ぐに利ろし。
こう、りくにすすむ。
ふゆきてかえらず。
ふはらみてやしなわず。
きょうなり。
あだをふせぐによろし。
鴻が平地に進む。
夫は行ったきり帰って来ず。
妻は子供を育てない。凶。
安全な場所で外敵から身を守ると良い。
今は力不足。地盤を固めてから前進。
全部ストレスのせいって事で。
四爻
鴻、木に漸む。
或いは其の桷を得。
咎无し。
こう、きにすすむ。
あるいはそのたるきをう。
とがなし。
鴻が木の上に進む。
不安定な木の上で平らな部分を探して止まる。
咎められない。
安定はしているが、油断しないように。
逆に自分以外は不安定。警戒するに越したことはないか。
五爻
鴻、陵に漸む。
婦三歳孕まず。
終に之に勝つこと莫し。
吉。
こう、りょうにすすむ。
ふさんさいはらまず。
ついにこれにかつことなし。
きち。
鴻が高い丘の上に進む。
邪魔者が現れて夫婦は三年間子作りが出来ないが、最後まで邪魔者が勝つことは無い。
吉。
全力で進む。結果は期待できる。
これは試練。
上爻
鴻、逵に漸む。
其の羽用て儀と為すべし。
吉。
こう、きにすすむ。
そのはねもってぎとなすべし。
きち。
鴻が大空に進む。
隊列を崩さずに、一つも欠けることなく飛ぶ姿を手本にする事。
吉。
目的は果たせる。
鳥になりたいと願え。
山の上の一本の木。漸く育った一本の木。少しずつ根を張り、少しずつ枝を広げ、いつしか誰にも届かない高みへ。
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