
偶然的必然。
卦辞
姤。女壮なり。
女を取るに用うる勿れ。
こう。じょそうなり。
じょをとるにもちうるなかれ。
その女は強すぎる。
娶ってはいけない。
全然心当たり無いのに馴れ馴れしく近づいてくるヤツは男女問わず。
思いがけない出会いがあるが要注意。女性は強運。男性は凶運。
爻辞
初爻
初爻金柅に繋ぐ。貞吉。
往く攸有れば凶を見る。
羸豕孚するも蹢躅す。
きんじにつなぐ。ていきつ。
ゆくところあればきょうをみる。
るいしまことするもてきちょくす。
豚を弱いうちに繋ぎとめておく。
そのままにしておくのは凶。
今は弱い豚もいずれは力をつけて暴れだす。
残る不安要素。いずれ障害になるかもしれない。
こうしておけばとりあえず大丈夫。(全然大丈夫じゃない)
二爻
包に魚有り。咎无し。
賓に利ろしからず。
つつみにうおあり。とがなし。
ひんによろしからず。
新鮮じゃない魚を包んで隠す。咎められない。
それを客に出すのは良くない。
見せたくないものは見せないほうが良い。
そうだ、無かったことに、しよう。
三爻
臀に膚无し。
其の行くこと次且たり。
厲ういけれども大いなる咎无し。
いさらいにはだえなし。
そのいくことじしょたり。
あやういけれどもおおいなるとがなし。
お尻の肉が無いので落ち着かない。会いに行きたいけれど会いに行けない。危ういが、会うべきじゃない相手に会わずに済むので咎められない。
進みたくても進めない。結果的には難を逃れる。
優柔不断なくらいの情緒も時には。
四爻
包に魚无し。凶を起こす。
つつみにうおなし。きょうをおこす。
魚は包み隠されていてそこには無い。
力ずくで奪おうとするのは凶。
欲しいものは手に入らない。諦めが肝心。
無いもんは無いので。
五爻
杞を以て瓜を包む。
章を含む。
天より隕つる有り。
きをもってうりをつつむ。
しょうをふくむ。
てんよりおつるあり。
高い柳は道徳の象徴。蔓を伸ばして這い上がって来る瓜すら包み込む。
時が経てば瓜は熟成し、自然と地へ落ちる。
自分の地位を脅かす不届き物を泳がせて自滅するのを待つ。
今は耐え忍ぶ。実力を発揮するのはもう少し先。
裏の裏よな。窮屈だけどしょうがない。
上爻
其の角に姤う。
吝。咎无し。
そのつのにあう。
りん。とがなし。
誰彼構わず突き放す。
誰とも親しくなれない恥ずべき振る舞いではあるけど、悪人も寄って来ないので咎められない。
少し笑顔が足りないか。
なんだかんだこれが一番波風は立たない。
足元抜ける隙間風、ダルマ落としの一段目。偶然の出会いは必然の手配。未来と過去のその狭間、姤は遇なり、乞うは偶ばかり。
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