
全力で保身に走る。
卦辞
剝。往く攸有るに利ろしからず。
はく。ゆくところあるによろしからず。
このまま進んではいけない。
衰運。身を潜めて時を待つ。
爻辞
初爻
牀を剝すに足を以てす。
貞を蔑す。凶。
しょうをはくすにあしをもってす。
ていをほろぼす。きょう。
寝台の足を壊しに来る。
自分の立場を脅かす。凶。
トラブルの芽。甘く見てはいけない。
二爻
牀を剝すに辨を以てす。
貞を蔑す。凶。
しょうをはくすにべんをもってす。
ていをほろぼす。きょう。
寝台の足の付け根を壊しに来る。
自分の立場を更に失う。凶。
早急に対処。人に相談してみても。
三爻
之を剝す。咎无し。
これをはくす。とがなし。
悪い仲間と手を切る。咎められない。
やり直しも視野に入れて。
四爻
牀を剝すに膚を以てす。凶。
しょうをはくすにはだえをもってす。
きょう。
肌に触れる距離まで危険が近づいて来る。凶。
身近に危険が迫る。急いでその場を離れる。
五爻
魚を貫く。
宮人の寵を以てす。
利ろしからざる无し。
うおをつらぬく。
きゅうじんのちょうをもってす。
よろしからざるなし。
目刺にした魚のように他の宮仕え達を取りまとめて王様の寵愛を受けようとする。良くないわけがない。
仲間と協力。目上の人から高評価を得る。
上爻
碩果食われず。君子は輿を得。
小人は廬を剝す。
せっかくらわれず。くんしはよをう。
しょうじんはろをはくす。
果実が一つ、食べられずに残っている。
全てを失った後に残る君子としての心。
その君子は車に乗せられ人々を導く新たな王に。
その君子すら剝ぎ取ろうとする小人は、自分の住む処を失う。
一から出直し。今は静かに、消極的に。
世紀末救世主伝説。
山が削られ更地に返る。剥奪、剥落、滑落、その結末。出る悔いは打たれ、悔いは残らない。奪われる玉座と、追い詰められた王のその顛末。
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