
引き立てること夕暮れの如し。
卦辞
賁。亨る。
小しく往く攸有るに利ろし。
ひ。とおる。
すこしくゆくところあるによろし。
順調に進む。飾りは過ぎないように、人を引き立てるように。少しずつ目的に近づいていく。
内容充実に向けて努力する。見かけ倒しにならないように、あまり遠くを見過ぎないように。
爻辞
初爻
其の趾を賁る。車を舎て徒す。
そのあしをかざる。くるまをすてかちす。
車に乗らず。自分の足で歩いて行く。
ありのまま、自分のペースを乱さない。
二爻
其の須を賁る。
そのひげをかざる。
ヒゲでアゴを飾る。
誰かの引き立て役になってみる。
三爻
賁如。濡如。永貞にして吉。
ひじょ。じゅじょ。えいていにしてきち。
美しく飾り、瑞々しく潤う。これ以上の飾り付けは止めて、素材本来の魅力を引き立てる。吉。
実力が備わる。長所を活かして。吉。
四爻
賁如。皤如。白馬翰如。
寇するに匪ず婚媾せんとす。
ひじょ。はじょ。はくばかんじょ。
あだするにあらずこんこうせんとす。
飾り過ぎたから質素に戻す。
大事な人を飾り立てたいから白馬に乗って走る。
急いでいるのは敵対したからではなく、協力したいから。
一途に。自分よりも誰かの為に。良き協力者を探す。
五爻
丘園を賁る。束帛戔戔。
吝なれども終に吉。
きゅうえんをかざる。そくはくせんせん。
りんなれどもついにきち。
丘や農園などを飾り、整える。
すぐに利益が出ない事で非難されるが、結果的には豊かになって吉。
外見を飾るよりも内面の充実を。
上爻
白く賁る。咎无し。
しろくかざる。とがなし。
何も飾らない。咎められない。
質素倹約。万事消極的な行動。
山に沈む太陽。辺り一面黄金に染める。飾り、彩り、ひとまず終わり。夕暮れで終わる物語が大好きで、そのエンディングだけ何度も見てる。
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