
退屈を愛せ。
卦辞
泰。小往き大来たる。
吉にして亨る。
たい。しょうゆき だいきたる。
きちにしてとおる。
小さなものが去り、大きなものが来る。
吉にして順調。
とてつもなく安定している。将来の計画と備えを。
爻辞
初爻
茅を抜くに茹たり。
其の彙を以てす。征けば吉。
ちがやをぬくにじょたり。
そのたぐいをもってす。ゆけばきち。
茅を抜くと他の茅もぞろぞろ抜けて来るように、優秀な人材が集まってくる。
行けば吉。
自分の下に人が集まってくる。
人間関係を広める。
二爻
荒を包ぬ。馮河を用う。遐遺せず。
朋亡ぶれば中行に尚うことを得。
こうをかぬ。ひょうがをもちう。かいせず。
ともほろぶればちゅうこうにあうことをう。
泰平の世を維持するのに必要なのは、悪人さえも許して包む寛容さ、大河を渡る勇気、遠く細かいところまで目を行き渡らせる配慮、そして分け隔てなく平等に扱う公平さ。
理想は高く、真っ直ぐ進む。
三爻
平にして陂かざる无く、
往きて復らざる无し。
艱貞なれば咎无し。
恤うる勿れ。
其れ孚ならば食に于て福有り。
たいらにしてかたむかざるなく、
ゆきてかえらざるなし。
かんていなればとがなし。
うれうるなかれ。
それまことならばしょくにおいてふくあり。
平らなものもいずれは傾く。
いなくなったものもいつか帰ってくる。
辛く苦しい時期でも、正しい道を守っていれば咎められない。
心配はいらない。誠の心があればどんな境遇でも幸福でいられる。
衰運の兆し。足元を固めてから行動。状況の変化に流されないように。
四爻
翩翩富まず。其の隣を以てす。
戒めずして以て孚あり。
へんへんとまず。そのとなりをもってす。
いましめずしてもってまことあり。
チョウチョがヒラヒラと飛ぶように、自分の身分の高さをひけらかさず、低い身分の者に教えを受ける。
下降運。心を広く持って冷静に。信頼出来る上下関係。目下の人物を頼っても良い。
五爻
帝乙妹を帰がしむ。
以て祉あり元吉。
ていおつ まいをとつがしむ。
もってさいわいありげんきつ。
王様が自分の娘を臣下に嫁がせる。
その信頼関係が幸福を呼び込む、元いに吉。
引き際。人に任せても良し。大吉。
上爻
城隍に復る。師を用うる勿れ。
邑より命を告ぐ。
貞なるも吝。
しろ からほりにかえる。しをもちうるなかれ。
むらよりめいをつぐ。
ていなるもりん。
城が崩れて瓦礫に返る。他国と争ってる場合じゃない。
王の命令を狭い範囲に留めて、被害を最小限に抑える他ない。
自分の事で精一杯。下手に動かないこと。
また一から出直しだ。
天地交わる。天は恵みを与え、地は万物を育む。平坦な大通り、すれ違う人も、浮かぶ雲も、路傍の石も、幻の蝶も、我が物顔で存在できれば良いと。
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