今日は仕事が早く終わったので市役所に用事を済ませに行った。
役所がらみの事は字が汚いので基本苦手なのだけれど、役所のストイックで丁寧で機械的な雰囲気は嫌いじゃない。ちなみに運転免許センターも嫌いじゃない。
多分ムダが多くて雑なオレでも周りと一緒にキチンと梱包して平等に並べてくれるからだろう。
とりあえずの用事を済ませてスーパーに今日の晩飯を買いに行く。たまには肉をたらふく食べたい。最近簡単に作れちゃうパスタばっかりだったから。
まるで大事な手続きをする為に役所に来ましたみたいな背筋で買い物カゴを持ちながら毅然とした態度でお惣菜のコーナーへ向かう。
心の中の役所の職員に「それでしたら本日の晩御飯にはチキンカツが必要になります。」と言われた気がしたので言われたとおりにチキンカツをカゴに入れる。もちろん大切な書類をクリアファイルにしまうように。汚してはいけない。
その他にも抹茶ラテ、クラフトコーラ、シーザーサラダ、ペヤングの激辛ヤキソバを調達し、レジコーナーへ。もちろん行儀よく座るために作られたような四角いソファも番号札も無い。適当な姿勢で立っている人の後ろに適当な距離を開けて並ぶ。
最後の手続き、と言うかお会計をしていると袋詰めコーナーに見慣れた姿が。多分弟だ。隣にいるのはその嫁だろう。
弟らしき人物の方をじっと見る。弟らしき人物もオレの方をじっと見る。しばし見つめ合うオッサン二人。
お会計が済んだところで袋詰めコーナーへ。そこでやっと本当の兄弟だった事を確認し合う二人。感動の再開だ。スーパーの袋詰めコーナーじゃなかったら泣いて抱き合ってたところだ。危なかった。
二人とも目が悪いのだ。しかも普段はメガネを掛けなくても良いくらいの中途半端な悪さ。つまり弟っぽい人間と兄っぽい人間をお互い確信を持てないまま見つめていたのだ。マスクもしてたし。
しばらく談笑して、じゃあまたな。と別れたつもりが車の置いてある場所が近くて結局車まで一緒に歩いた一月の終わりと二月の始まりの真ん中の駐車場。