24 地雷復

24 ちらいふく


かえるのうた

カエル
「いらっしゃい。」

休業中のガイコツ
「どうもー。」

休業中のガイコツ
「車が決まったよ。」

カエル
「やっとかよ。」

茶番をトばす。

休業中のガイコツ
「うん。ちょっとボロいけど条件に近いのが見つかったよ。」

カエル
「探せばあるもんだね。」

休業中のガイコツ
「いや、前にパチ屋で20万貸したヤツの事覚えてる?」

カエル
「なんかあったね、そんな話。確か病気で仕事クビになったんだっけ?」

カエル
「会ったの?」

休業中のガイコツ
「うん。あれウソだったんだと。」

カエル
「やっぱり。」

休業中のガイコツ
「あやまられたよ。」

カエル
「当然だろ。」

カエル
「で、どうしたの?許したの?」

休業中のガイコツ
「許した。工場クビになった後、中古車のディーラーになったみたいでさ。」

カエル
「ふーん。」

休業中のガイコツ
「カミさんと子供食わせてるんだと。」

カエル
「ふーん。」

休業中のガイコツ
「まだオレと一緒で駆け出しだから大変みたいだ。」

カエル
「カミさんと子供養ってるからって何してもいい訳じゃないよ。」

休業中のガイコツ
「うん。でも許した。新品のタイヤとナビ付いた2トントラックを90万で売ってもらったから。」

カエル
「ちなみにまだ金渡してないよね?」

休業中のガイコツ
「もちろん。」

カエル
「納車まで油断すんなよ。」

休業中のガイコツ
「大丈夫だよ。心配性だな。」

カエル
「金だまし取られてたんだぞ?」

休業中のガイコツ
「まあまあ。もういいじゃないか。」

カエル
「キミの金だし、キミが許したんならいいけどさ。」

休業中のガイコツ
「あとはキミがオレのトラックにホロを付けてくれればようやく仕事が出来る。」

カエル
「車来てからでいいんだろ?現物みてから作りたいし。」

休業中のガイコツ
「全然いいよ。どれくらい掛かる?」

カエル
「金?いらねえよ。納車祝いにプレゼントしてあげる。」

休業中のガイコツ
「ホントに?ありがとう。」

カエル
「どういたしまして。カフェオレでも飲む?」

休業中のガイコツ
「カフェオレはいいや。コーヒーもらえる?」

カエル
「コーヒーない。」

休業中のガイコツ
「じゃあ、カフェオレもらう。」

カエル
「どうぞ。」

休業中のガイコツ
「ありがと。」

カエル
「程度はいいの?」

休業中のガイコツ
「何が?」

カエル
「トラック。」

休業中のガイコツ
「さすがに良くはないけど、部品無くなるまで面倒みてくれるって言ってたから。」

カエル
「そか。」

休業中のガイコツ
「でもちょっと問題がある。」

カエル
「ん。」

休業中のガイコツ
「もっと早く気付くべきだったんだ。」

カエル
「まだ金払ってないんなら白紙に戻しな。」

休業中のガイコツ
「違う。今使ってる駐車場にトラック置けない。」

カエル
「なんでそんな事に気付かなかったんだよ。」

休業中のガイコツ
「スロット打ってる場合じゃなかったな。」

カエル
「抜けてんな。」

カエル
「いいよ。オレの倉庫使って。」

休業中のガイコツ
「多分、今日みたいな日を完璧な一日というのだろうか。」

カエル
「何言ってんだコイツ。」

休業中のガイコツ
「ありがとう。傘もタダで運ぶし、倉庫の掃除もするし、キミの事も忘れないよ。」

カエル
「バッタも食いてえ。」

休業中のガイコツ
「わかった。儲かった日は必ず買ってくるよ。」

カエル
「ん。」

休業中のガイコツ
「じゃあ、絶体絶命の危機を回避したところで今日は帰るよ。ごちそうさん。」

カエル
「またね。」



地雷復
ちらいふく


地中に雷気がこもってウズウズしてるさま。つまりウズベキスタン。
五本の陰爻の下に陽爻が一本。

これは天風姤から坤為地までの下り坂を下りきって、陽の気が再び戻って来た事を意味する。一陽来復。つまりお楽しみはこれからの卦。

十二消長卦の一つ。旧暦で十一月。新暦で十二月を表す。

再出発。元通りに戻る。再現性。段々と進行する。


卦辞

復。亨る。出入疾无く。
朋来たるに咎无し。
反復の其の道、七日にして来復す。

往く攸有るに利ろし。

ふく。とおる。でいりやまいなく。
ともきたるにとがなし。
はんぷくのそのみち、しちじつにしてらいふくす。
ゆくところあるによろし。

順調に往く。陰の気が去って行き、陽の気がこれから伸びて来る。
陰の気が伸び始めてから七日(七卦)目に復に返って来た。
進んで行動しても良い。
姤→遯→否→観→剝→坤→「復」。

個人的にはラッキーセブンも加えたい。


爻辞

どうやら一回やらかした人のやり直し方の話。


初爻

遠からずして復る。
悔いに祇る无し。元吉。

とおからずしてかえる。
くいにいたるなし。げんきつ。

遠くまで行かないうちに来た道を引き返す。後悔はない。むしろ元吉。

アテが外れるかも。マズいと感じたら引き返して良し。

新しく始めたことが間違ってるかも知れない。


二爻

休く復る。吉。

よくかえる。きち。

正しい人(初爻)に促されて引き返す。吉。

人のアドバイスが正しい時。特に目下の人。


三爻

頻りに復る。厲うけれども咎无し。

しきりにかえる。あやうけれどもとがなし。

進もうか引き返そうか迷っている。危ういが、非難はされない。

迷いあり。優柔不断と言われても、ちゃんと考えて。


四爻

中行独り復る。

ちゅうこうひとりかえる。

仲間と別れて一人で引き返す。

吉でも凶でもなく、ただ一人帰る。

信念を貫く。

悪友と手を切る。

仲違い。


五爻

復るに敦し。悔い无し。

かえるにあつし。くいなし。

強い信念を持って正しい道に引き返すので後悔はなくなる。

損得じゃない。でも損は損。くれてやれ。


上爻

復るに迷う。凶。災眚有り。
用いて師を行れば終に大敗あり。

其の国君を以てするも凶。
十年に至るも征する克わず。

かえるにまよう。きょう。さいせいあり。
もちいてしをやればついにたいはいあり。
そのこくくんをもってするもきょう。
じゅうねんにいたるもせいするあたわず。

道に迷う。帰るに帰れない。凶。災いあり。進軍しても大敗し、王の力を持ってしても勝つことが出来ない。凶。十年たっても征伐出来ない。

引き返すにはあまりにも遅すぎて。

逃げ道無し。勝ち筋無し。八方塞がり。

二回も凶って言われた。


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